【シリーズ紹介】
この記事はシリーズ『介護職の専門性を“見える化”する』の第3回です。
→ 第1回:【営業力も必要?】伝わる介助と信頼を築く力とは
→ 第2回:【管理も仕事?】現場を支える“見えない力”
→ 第3回:【介護職=総合職?】多職種連携と成長力の本質
介護職は「オールラウンドプレイヤー」?──専門性を超えた「総合職」としての輝き
前回までの記事で、介護職の中にある「営業的視点」「マネジメント力」について紹介してきました。
今回は、それらを統合し、「総合職」あるいは「プロフェッショナル」としての介護職の姿に迫ります。
多様な専門性を統合する「問題解決者」としての介護職
多職種連携の要(ハブ)
介護職は、医師・看護師・リハ職・ケアマネ・管理栄養士など、様々な専門職と関わります。
日常的に利用者と接する介護職は、現場の変化に気づきやすく、それを適切に伝えることで、チーム全体のケアを動かす「ハブ」の役割を果たします。
- 申し送りや記録で情報共有
- ケア会議で現場の意見を発信
- 他職種との調整・提案
これらは、企業でいう「プロジェクトマネジメント力」に近い役割です。
柔軟な問題解決力
介護の現場は常に予定通りとは限りません。
転倒や体調不良、他の利用者とのトラブルなど、予測外の出来事にも対応が求められます。
- 優先順位の判断
- 関係者への連携・報告
- 再発防止策の提案
「現場力」と「判断力」が合わさった、まさに総合職としての柔軟性が問われます。
人間力と共感力が、介護職をプロにする
共感と傾聴
介護職は、利用者の生活だけでなく、心にも寄り添います。
- 言葉にならない感情に気づく
- 不安やこだわりを受け止める
- 利用者の価値観を尊重する
こうした姿勢は「共感力」や「人間理解力」とも言え、技術だけでは補えない専門性です。
チームとの信頼構築
利用者だけでなく、スタッフ間の関係性も介護の質に直結します。
- お互いを尊重する関係づくり
- 不安やミスを共有しやすい空気
- 新人育成や場の雰囲気づくり
「働きやすさ」はチームでつくるもの。
介護職には“空気をつくる力”も求められます。
学び続ける姿勢
介護は、制度も技術も日々進化しています:
- 認知症ケアの新知見
- テクノロジー導入
- 法改正や報酬改定への対応
介護職が「学びを続ける姿勢」を持つことは、プロフェッショナルとしての信頼性を高めます。
支援・調整・創造を担う、介護職という総合職
介護職は、単なる介助者ではありません。
- 利用者の心と生活を支える支援者
- 他職種とケア全体を調整する連携者
- 環境や方法を創り出す創造者
このように、介護職はまさに「総合職」としての力を発揮しながら、利用者の人生に寄り添っています。
【シリーズ総まとめ】
このシリーズでは、介護職の持つ「営業」「管理」「総合力」という3つの側面を通じて、
現場で求められる専門性を“見える化”してきました。
皆さんの職業理解や育成、そして誇りの再発見につながれば幸いです。
【前回】
→ 第2回:【管理も仕事?】現場を支える“見えない力”
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