介護現場(家庭や施設・事業所内)での暴力や迷惑行為、御家族の無理な要望に無条件で全て応えていると最終的に利用者の不利益になってしまう
介護のプロを認識することは断ることと代案を出すことを意識すること
全てに無条件で応えることを介護といわない
介護とは、利用者が日常生活を営む上で必要な部分に必要な支援を行うことが介護です。
お手伝いさんや第2の家族のように身の回り全てや生活全般を支えるのは介護ではありません。
”自立支援”が目的の介護サービスでそのような支援を行うことは「過介護」もしくは利用者の自立支援を妨げる「不利益をもたらす行為」となってしまいます。
介護場面で「全介助」となっている利用者への関わり方も間違えば「過介護」と判断される場合があります。同じように御家族からの要望も過剰になると「利用者の不利益をもたらす」と見なされる場合があります。
介護として成立するかどうかの話し合いを行い、明確な回答を行う。対応困難な時には代案を出す。
明らかに介護サービスの範疇を超えている場合を含めて、要望に対応が可能かどうかは施設・事業所などでしっかりと話し合いを行い返答する必要があります。
回答を出す際には単に「限度を超えている」「我が儘」などの回答では納得を得られない事の方が多くなります。節度をもったうえで明確に理由を述べることと代案を出すことは必要です。一方的な回答は単なる拒絶となりかねません。
暴力行為や迷惑行為と防衛対応に関して、利用者側と提供者側双方が過敏になりつつある
暴力行為が起こる背景や原因究明は必要
特に認知症の症状が進行した利用者には、やや多く見られる暴力行為に対して防御しても「虐待」扱いされています。
私自身も痛い思いをしながら沈黙したことがあります。
だからこその今回の呟きでした。
しかし、利用者が暴力行為を行ってしまうある程度の背景や原因を予測したり分析したりする事により”専門医への受診”を勧めるためにも必要です。
防御にも様々な方法があることの認識も必要
一方で、防御方法にも様々な方法があり選択肢によっては利用者の怪我につながりやすい方法がある事を認識しておく必要もあります。
例えば、叩いてきた利用者の手を掴んだら内出血を起こす場合もあれば、手を払いのけることでバランスを崩して転倒させてしまう場合が出てしまいます。
事前の情報共有で防げなかったのか検証する
頻繁に暴力行為や迷惑行為を行う利用者の場合は、提供者同士や事業所同士での情報共有があったのか無かったのかも大きなところです。事前に情報があれば対応策も多く準備できます。
利用者の行為を容認しすぎること、御家族の要望を受け入れすぎる事は最終的に利用者本人の不利益を招く
暴力行為や迷惑行為を見逃し続け最終的に他の利用者や家族を重篤な状態にしてしまうと利用者本人の不利益となります。同様に御家族の過度な要望も他の利用者や提供者側の思わぬ事故を招く原因となってしまう事があります。
適度な要望かどうか、危険性の有無などは当事者だけで判断が出来ない場合には、同僚や他の御家族との適切な情報共有により判断材料を増やすことが出来ます。
うやむやにしてしまうって思わぬ事故や事件が起きる前に周囲に相談する必要があります。
今回は、施設・事業者側と御家族とのやりとりから記事を書きました。
私個人では、約20年前ですが祖父が入院した際に看護師さんへの暴力行為を自傷行為が酷く、認知症の症状も酷かった為に家族会議で身体抑制を希望しました。
担当の医師の方が理解を示し、「本来は然るべき病棟に転棟する必要がある」との言葉の後に「多分、数日で落ち着くから大丈夫」との回答をもらう幸運に恵まれました。
医師や看護師、介護の方々の理解のおかげでしたが毎回同様の幸運があるわけではありません。
先にも書きましたが私も痣が残る強い痛みを利用者さんから受けたこともあります。
利用者・御家族・提供者の関わる人達がお互いにいがみ合っていては、成立しません。相互に可能なことや不可能なことを話し合って協力する覚悟が必要です。
また、上限が決まっている介護保険料の見直しに対しても利用者・御家族・提供者が合致して声を上げていく必要があります。
※
以上、今回の一案でした。
皆さんに後納得いただける記事かは分かりませんが、
読んでいただき、ありがとうございました。
※ いらすとや さんより借用
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