【ケアプラン】の質の高さとは、日常を自分なりに過ごしやすくなること
介護保険サービスをつかうためには
介護保険サービスを利用する為には手続きが必要
介護を受けることが出来る人
介護保険のサービスを受けることが出来る人は、以下の人です。
第1号被保険者・・・65歳以上の方
第2号被保険者・・・40歳~64歳までの方
※ 第2号被保険者は認められた特定疾患の診断を受けた方が対象です。
細かい部分があるので、こちらをご覧下さい。
介護保険のサービスを受ける手順
介護保険サービス利用は
- 市町村役場に申請し「介護認定」を受ける
- 担当のケアマネさんに「ケアプラン」を作成してもらう
- 作成した「ケアプラン」に同意したらサインする
- 各種介護保険サービスを利用開始する
- 毎月「ケアプラン」の予定確認とサインをする
- 必要に応じて利用するサービス内容を変更する
という流れで利用することになります。
ケアプランの種類
ケアプランは大きく3種類に分けられます。
- 施設サービス・・・老人保健施設等の施設に入所して受ける介護サービス
- 居宅サービス・・・自宅での生活を中心に”通い”・”訪問”・”短期宿泊”や福祉用品のレンタル等を受けるサービス
- 介護予防サービス・・・要支援1~2という認定を受けて直接的な介護は必要としないが体や心を鍛えて介護が必要な状態になることを予防するサービス
対象となる方の体調や生活状況等により、受けることの出来るサービスが変わります。
今回の希望の伝え方は、施設・在宅共に介護サービス全般での伝え方になります。
在宅サービスに関する記事は、
を読んでみて下さい。
【具体的な希望】は、介護が必要となった時のショックや不安が大きなヒントになる
ご本人や家族が感じる不安やショックが最も重要な情報源。
介護を必要とする時に殆どの人は「出来なくなったこと」を数えます。
私達は、これまで歩く方法や食事の取り方など、あらゆる生活の営みを何十年間も
意識せずに行ってきました。
また、仕事や趣味など生活を彩る様々な能力も身に付けてきました。
それが失われた(または今後失われる)と認識すれば当然困惑や不安、強いショックを受けます。
しかし、この「出来なくなったこと」を数えることは悪いことではありません。むしろ、これから「どのように生活していくのか」の見通しを立てる上で重要な課程となります。
過度に周囲に当たり散らすことは避けるべきですが、実際にショックで当たり散らしたくなるでしょう。
そんな時には、適度に家族や周囲の信頼できる人に不安などを話して下さい。そして、不安な気分を和らげ、ご自身や家族の方のこれからの生活状況を
ゆっくりと整理して下さい。
「出来なくなったこと」を出し切って、「出来ること」を数える。生活の目標を考えてみる。『介護に関する家族の希望』が具体的になっていく。
出来ることの確認は客観的な情報をもらう
ご本人や家族の方だけでは難しいかもしれませんので看護師さんや介護職の方、リハビリ担当の方などと確認していく方が客観的に数えることが出来ます。
救急病院をはじめとしてリハビリ病院や介護施設など、それぞれの場所で利用開始後にカンファレンスという状況確認の機会があります。
また、面会の際に「最近の様子」を聞くことも大切な情報源となります。
具体的な生活を想定する
「出来ること」を把握できるようになったら担当者が提案する
”現実的な生活”を目標としたリハビリ計画に沿って訓練を行っていく事になります。
この時点での明確な目標が出来ている人は実際のところ以外と多くありません。提案される目標と漠然とした目標が具体的に感じる人の方が圧倒的に多くなっています。
殆どの方は”日々を送ることで精一杯”で「いつ退院と言われるだろう」・「今の状態では帰れないけど他の所を探すのは、いつ始めると良いのだろう」と不安や疑問が多くて「したいこと」、「行きたい場所」などは、まだなかなか出てこないかもしれません。はじめのうちは提案される目標でも十分です。
退院など一つの区切りですが人生に於いてはゴールではなく、まだまだ一つの
「中継地点」です。
目標や希望は「高望み」ではなく、少しずつ「積み上げて」いく目標の階段を作ること
希望は積み重ねることが出来る
希望の内容は、ひとそれぞれと思いますが敢えて例を挙げるとすれば、
- 寝たきりになったが、少しでも体を起こす時間が欲しい。
- 夜は寝間着、日中は普段着と少しでも時間にメリハリを付けたい。
- 自宅の茶の間で家族と共に三食食べたい。車イス使用の幅はあるし介助可能なので車イスとベッドの乗り移りを安全に出来る立ち方を覚えて欲しい。
- 杖と支えで少し歩けるので、ハウスのイチゴ狩りに行きたい。
- 少し歩けるが自宅内のトイレまで廊下に20㎝の段差が3段あるから上り下りが安全に出来るようになりたい。
- 会社は車イス出勤を許可してくれたけど、運転は難しいから公共交通機関を使う方法を確立したい
等々、本当に様々な事が考えられます。伝えた希望と実現可能な希望が合致すると少しずつ希望の内容をより高度な内容にしていくことが出来ます。これは進行性の病気の場合にも可能です。
介護が必要となっても生活の質は
「積み重ね」で向上できます。
希望や要望を具体的に詳しくケアマネさんや相談員さんへ話す
「希望」を積み重ねやすくする為に具体的な内容にしていく
ケアプランや介護計画書、リハビリ計画書等々の介護サービス利用の時に署名を求められる各種計画書は、「利用者・家族の希望」が必要不可欠です。
ここに記載する希望がより具体的で現実的なものほど、立案されるサービス内容の質は高くなりやすいです。
但し、余りにも希望が高すぎて実現が難しいような内容の場合は、立案前に代替え案を提案されたり「実現できません」と言われてしまうことがありますのでご注意下さい。
「出来ること」を維持するだけの生活やケアプランよりも「出来ること」を
利用して生活の質を高める為のケアプランの方が介護を受けるご本人も周囲の人も生活にメリハリを感じやすくなります。
「一日一回お茶くみをする」というような漠然と強制的なプランではなく、「お茶やおやつの準備を利用者同士で分担できる」(こちらも若干漠然ですが)など立案の仕方も変わるかもしれません。
出来ないことばかりを援助する介護は”気持ち”が沈みやすくサービスの質が低下しやすい。「一緒」に喜ぶ時間を探すと介護の”気持ち”は、ほんの少し「軽く」なる
「出来ない」部分にだけ焦点を当て「出来るように頑張る」生活は気持ちが長続きしません。
同じように「出来ること」を「続ける」為にやみくもに続けるだけの生活もまた思ったよりも長続きしません。
「出来ること」を”生活で活かす”ことを発見し、ご本人や周囲の人と共有出来ると介護をする人の”気持ち”は少し「軽く」なります。
「出来ること」を活かしていく、積み重ねていく希望や要望はケアプランの質をより良いものにしてくれます。
そして、質の良いケアプランは利用者の表情を明るくし生活の質を高めていきます。介護する人も受ける人もお互いに尊重し合う生活を送ることが出来れば介護の辛さは減っていきます。
以上、介護に関わる人への”斜め”な一案です。
介護に関する”気分”が少しでも「軽く」なっていただければ幸いです。
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